糸谷哲郎六段の、初心者向けの短手数詰将棋シリーズの1冊です。
急激に変化している現代将棋を特定の戦型例で語ります。
目次
第1章:後手の戦法の比較検討
第2章:一手損角換わりの発展
第1節:理論化の意義、方法
第2節:四つの対策
第3章:一手損角換わり・後手3二金の衰退
第1節:先手2五歩型早繰り銀
第2節:後手8四歩型早繰り銀
第3節:先手7九玉型
第4章:一手損角換わりの工夫・後手8四歩不突
第1節:後手3二金型
第5章:一手損角換わり後手8八角成型・前
第1節:後手8八角成型の概要
第2節:後手3三銀型
第6章:一手損角換わり後手8八角成型・後
第1節:後手7二銀型
コラム1−5
初出版という事ですが、シリーズ化が予想される題名です。
先手・後手で優位さが少ないと言われていた将棋です。
しかし、プロの年間勝率で先手が3%程度上回っています。
そこでは、後手番の色々な対策が行われています。
現代将棋を語るときは、後手の対策が大きなテーマです。
本書のテーマもそれであり、手損戦法に注目しています。
その一つが、一手損角換わりです。
後手は先手より1手遅れていて、通常は逆にはなりません。
したがって、次第に先後同形は少なくなって来ました。
逆に言えば、先手有利の結論が出たという形が増えています。
後手は、如何に対策するかがポイントです。
本書でも、最初にその歴史を述べています。
その中のひとつが、手損戦法です。
不思議な思想ですが、先手より後手が1手遅れて悪いなら、もう1手あるいはもっと遅れようとします。
不思議な発想ですが、幾つかの新しい戦型と思想が生まれています。
本書で取りあげているのが、「1手損角換わり」です。
派生形で、その他の戦型も一部含みます。
追い越せないならば、もう少し遅れればどうなるのか。
将棋の駒は後に下がれないものが多い事と、取った駒を打つ事が出来るため、複雑になります。
すなわと、ゼロ手損と1手損では、かなり景色が変わるのです。
将棋はルールで、パスが出来ません。
もし、最善形があるとすると、そのときに手番ならば、最善形を崩す事になります。
1手損しても、逆に有利に出来るかどうかが、本書のテーマです。
プロの最先端の定跡書のために、結論が出ていないものや、初心者には難し所もあります。
ただ、プロが何故、手損という戦型を指し、如何に考えているのかを知る事の入門書とも言えます。
Copyright (C) 2013- kei All Rights Reserved.
※当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます。
将棋関連書籍・名著を探し・読む
糸谷哲郎六段の、初の著書です。
現代将棋を具体例で語ります。
主な戦型は、1手損角換わりです。