中原誠 著 1973年11月
2008年1月現在、将棋界は7タイトル(名人・竜王・棋聖・王位・王座・棋王・王将)と複数の非タイトル の棋戦があります。
将棋棋士は、将棋連盟規定で四段に昇段になった者をさします。
棋士には、順位戦を指す棋士、順位戦を指さない棋士(フリークラス)、引退棋士が存在します。(準棋士、指導棋士 もあります。)
順位・クラス分けがあるのは、順位戦(名人)と竜王戦のみです。参加資格のある棋戦もありますがほとんどの棋戦は 現役全棋士参加です。
例外が順位戦です。フリークラスが存在して順位戦は指しません。フリークラスの細部規定はありますが省略します。
順位戦(名人)以外は、参加棋士全員にタイトル獲得または優勝の可能性があります。順位戦は、A級・B級1組・B級2組・ C級1組・C級2組に分かれています。A級の優勝者のみが、名人に挑戦資格があります。その他のクラスは成績優秀者が昇級、 成績下位者が降級または降級点になります。
将棋界で新四段でC級2組昇級昇段は4名/年ですし、昇級は2名/年(1970年頃)(現在はC級2組のみ3名)です。 この狭く門を上って行ってA級八段になり、そこで優勝して名人戦挑戦になります。
四段から名人までの最短は5年(5期)になります。2008年現在、最短5年達成者はゼロで今後はより困難かと予想します。 現在の最短記録は6期で、中原十六世名人・谷川九段(7年6期・名人戦主催新聞社変更のため1年順位戦未開催を含む)・ 羽生二冠が達成しています。加藤一二三九段は名人挑戦まで5期で達成しましたが、名人は獲得出来ませんでした。
永世資格はタイトル戦ごとに異なります。名人通算5期の永世名人は一番緩いですが、名人獲得自体が非常に難しいので 制度が出来てから木村義雄・大山康晴・中原誠・谷川浩司・森内俊之の5名のみです。
王座のみ名誉王座と呼び、他は引退後襲名が規定ですが60才で襲位となります。
中原誠実戦集は、1:C級2組からB級1組、2:順位戦以外、3:A級2期と名人戦、の3巻です。メデイアへの露出が 少ない1巻の棋譜がマニア的にはこの実戦集ならではと感じます。
個人の実戦集がまとめられる棋士は限られています。
多くの実績と棋譜を残した棋士に限られます。
出版事情が広まってからの最初の該当棋士として、中原誠実戦集がまとめられたのも時と実績が重なったと言えます。
特に、棋士本人が解説している実戦集で時間的ギャップも少ないものは希で貴重です。
中原誠実戦集はいくたびか作られていますが、タイトルが絡まない順位戦の低い段の時代の棋譜は珍しいです。
1:C級2組
2:C級1組
3:B級2組
4:B級1組
対局数は現在と異なりやや多いです。そこをあるときは圧倒的勝率で、ある時は時の運で勝ち進んだようすが 全実戦棋譜と解説で分かります。
約40年前です。対局者で現在も現役は2名のみです。当時若手で、その後各棋戦で競い合った棋士・桐山清澄四段 (当時)と内藤国雄八段(当時)の二人のみです。
内容を見ると戦法の移り変わりが強く感じます。矢倉が多く、旧型相掛り、ひねり飛車などは今は少なくなっています。 振飛車もやや古い形が多いです。大山振飛車の全盛期ですが、まだ情報時代ではなく個人差が大きいように感じます。
また穴熊がようやく増えてきた頃です。これから、大山振飛車との対戦が増える前哨です。同期に居飛車派が多く 矢倉を中心とした戦いが本格化する時期でもあります。
特に低い段の時期は、手数が短い傾向があります。中原の強さが顕著だったように感じます。
B級1組以外は高い勝率で昇級してきた足取りが見れます。ただこれが、A級1年目で3連敗するのですから順位戦は 厳しいです。ただA級2年目は全勝で名人挑戦し、獲得します。これは、3巻の内容になります。
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