サラリーマンから将棋のプロへ
2006年発行>2010年追記のうえ文庫化。
60年ぶりの将棋界のプロ編入試験の実施からプロ入りへ。
文庫化に際して、フリークラス入りから順位戦C級2組昇級までを追記。
幼少から、奨励会生活までを自ら語る。
奨励会三段リーグの過酷な経験から、アマとしての復活・・そして再度プロを目指す道のりへ。
プロ編入試験の事。
はじめに 葉書
第一章 恩師
第二章 ライバル
第三章 奨励会
第四章 再生
第五章 新たな夢へ
いまだから言えること
第六章 棋士
将棋界は現在は2つのランク戦がありますが、順位戦の順位が重い事は変わっていません。
名人を筆頭に、A級10名>B級1組13名までが定員制です。
その後は、B級2組>C級1組>C級2組まで全て在籍定員制ではありませんが、昇級・降級システムと順位付けがあります。
その下に、定年と在籍期間制限のあるフリークラスがあります。
ひとことで言うと、順位が1年事に全て決まるシステムです。
これは全て勝敗で決まります。
同時に、奨励会とその最上段の三段リーグがあります。
そこからプロ棋士になれるのは、上位2名が半年に1回のみです。
三段リーグには降級も、年齢制限もあります。
その少数のみプロ棋士になれるシステムの厳しさは、体験者しか判りません。
そしてこの本の著者の「プロ編入試験」により、奨励会以外のプロの道が開かれました。
ただし、その条件は厳しく挑戦者は登場していますが、プロ棋士は現れていません。
一方では、本著者は3年半後にフリークラスから順位戦C級2組への昇級を果たしています。
将棋及びプロ将棋界に詳しくない人には、想像しにくい勝負の世界です。
それを外見的に見たのが、「プロ編入試験」であり、当事者がその内面を語ったのが本著です。
本著は幾つかの読み方があると思えます。
ドキュメンタリー的な見方、ある変わった歩みをした人物の半生記、勝負の世界の特殊性の理解等です。
ただ、もっと一般の読み方が良いのではないのでしょうか?。
人間は後になれば、何故あの時に努力しなかったかを後悔するという事を。
また、個人を知る人は多いのか少ないのか、それは当事者には判断できない事を。
そして、プレッシャーという人間の持つ心理的な面の大きさとそれを克服する事の難しさを。
著者の登場は、多くの人に夢と希望を与えましたが、その大きさはこれからの著者の生き方次第でどのようにも変わるだろうと思えます。
また、多くの友人や周囲の人の存在が如何に大きいかをも知る事が出来ます。
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人間は後に何故あの時に努力しなかったかを後悔する