内藤国雄著 1991年12月
詰将棋はパズルとして指将棋とは異なる分野を形成している部分もあります。
しかし一方では、頭の体操として気軽に楽しめて同時に読みの力をつける事も可能です。
ただし後者については、個人にあった難易レベルの詰将棋作品を相手にする必要があります。
前者は、マニア向けに少部数発行される本が多いですが、後者は定跡書と同じように多く出版されています。
この事は、自分のレベルにあった本を選べるので定跡書や実戦と合わせて利用すると良いでしょう。
<4>将棋図式集は江戸時代の作品を網羅したもので、あえて分類すればマニア向けと言えます。
指将棋の実戦では実力があがる程、詰みよりも詰めろ、詰めろの中でも必至を読み切る事にたけます。
必至は、必死と呼ぶ事も多いです。次に必ず詰みに至るか、あるいは玉が詰んで死ぬかどちらも使用します。
マニア向けの必至本はまだ数が少ないです。一般用の練習用の必至集もあまり多くはありません。
本集は、詰めと必至を双方取り上げています。
第1部 必至
必至について
例題と解説
必至問題集
両必至問題集
第2部 詰め将棋
詰め将棋の話あれこれ
詰め将棋問題集
必至の本が少ないのでそのルールや考え方に多くのページを使っています。
詰将棋が主に攻め方の指し手を探す事が主眼になりがちですが、必至は玉方の受けを見つける必要があります。より 実戦的といえます。
本著では、これに「両必至」を加えています。一般には「どちらが勝ちか」とか「勝つ手を探せ」の必至の場面に なります。自玉は詰めろになっており、それを防ぎながら相手玉に必至を掛けます。
実戦の終盤でしばしば発生する、詰めろのがれの詰めろの掛け合いに相当します。
創作型が多く、妙手探しになり山勘が当たるので実戦とは微妙に異なりますが、本書の3種類の中では一番実戦に 近いといえます。
詰将棋については、思い出はなしや、詰将棋の作り方などを取り上げています。
詰将棋作品集はありますが、単に問題を解くだけの本ではありません。
トータルで見ると、実戦の終盤力をつけるために使用できる工夫と、詰将棋と必至の作品集を組み合わせた 珍しい本になっています。
指将棋の終盤力と読みの能力をアップさせたい人向けの優れた内容になっているといえるでしょう。
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