島本亮著 2006年9月
将棋には定跡がありそれが重要である事はいうまでもありません。
しかし最近はプロ棋戦でも、過去には想像出来なかった戦型が続々と登場しています。
メジャーな定跡以外を、力戦と呼ぶ事も簡単な説明です。しかし、その中からメジャーな定跡が登場する事もあります。
知るひとぞ知るマイナー戦法・ひとつ憶えの定跡はずしはいつも存在します。
定跡に比べて、実際に使える事が少ないかどうかはその戦法の条件によります。逆に相手に使用された場合はもし知らなければ 対応に非常に苦労するでしょう。
現在は、アマで長く指されていた戦法がプロ棋戦で突然に指される事があります。一度プロが研究すると急激に、中身が 調べつくされる事も事実です。しかし、まだ研究されていない戦法が沢山あります。
本書では、その様な戦法を集めてプロが解説しています。
中には、本格的に十分に中心戦法として使用できる作戦もあるように思えます。
すくなくても、プロには「一発芸」であってもアマが実戦で、はじめて出会って正確に対応するのは難しいでしょう。楽しい 読み物とするのもよし、もしもの時の対応を知る事もよし、そして自分で使ってみるのもまたよしでしょう。
プロが書いた珍戦法書はそれだけで珍しいです。それだけに著者が一発芸と行っても、ひょっとすると新しい工夫で 突然にメジャーになる可能性もあります。
実は筆者の、実際に使用した作戦がある事に驚くとともにがっかりしました。
筆者は何を隠そう、マイナー戦法の蒐集魔であり実際にアマチュア名人戦の県代表戦でも使用した事があります。
それはどれかはないしょですが、歴史的に関西は力戦と個性的な作戦といわれています。従って神戸発とは、その一部 地区であり土壌は充分です。
まえがき
1章 一発芸戦法:『「きんとうん」戦法』『「タランチェラ」戦法』『「大かまきり」戦法』
『「幻想四間飛車」戦法』『「ザリガニ」戦法』『「ドラゴンスペシャル」戦法』
『「かえるがピョン」戦法』『「待てば海路の日和あり」戦法』『「対三間飛車急戦」』
『「なんでもかんでも銀冠」戦法』『後手編「急戦 石田返し」』『後手編「秘剣 流星剣」』
2章 天空の城戦法:『対美濃編』『対穴熊』
3章 駒落ち上手:『2枚落ち編』『飛車落ち編』
4章 浮雲戦法:詳細1−10節
「きんとうん」戦法:横歩取りはずしひねり飛車戦法。
「タランチェラ」戦法:大野流力戦向飛車風からの中飛車。
「大かまきり」戦法:四間飛車+鬼ころし。
「幻想四間飛車」戦法:対居飛車穴熊専用の決め打ち戦法。
「ザリガニ」戦法:似た名前の優秀な戦法がありますが対四間飛車への右四間飛車から2枚の銀が進出します。
「ドラゴンスペシャル」戦法:鳥刺しと飯島流引き角の変形版急戦戦法です。
「かえるがピョン」戦法:対三間飛車で隙をみせて誘い込む戦法、実戦的かもしれません。
「待てば海路の日和あり」戦法:対四間飛車の右四間飛車+腰掛銀から飛車落ちの下手の囲いにします。あとは後手が 隙をみせるのを待つのみ。
「対三間飛車急戦」:定跡形からの仕掛けで成功ならば新定跡誕生です。正確に受けられると???。
「なんでもかんでも銀冠」戦法:ひたすら玉の囲いに専念する戦法です。攻撃は???。
後手編「急戦 石田返し」:懐かしい石田流急戦の変化の続きで後手ががんばります。実際に実戦を見た記憶があります。
後手編「秘剣 流星剣」:やや不用意な四間飛車に対する超急戦です。似たイメージの実戦を見た記憶があります。
天空の城戦法:対四間飛車藤井システムに対しての居玉からの相振飛車戦法です。
駒落ち上手:駒落ちは裏定跡と奇襲の宝庫です。
浮雲戦法:中住まい+金開き戦法です。最近では、右玉や超急戦がプロでも増えているので中住まいや金開きも奇異な印象は ありません。
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