将棋界の事件簿 現役プロ棋士の実話レポート 田丸昇 2005年10月
筆者は昭和40年に奨励会入会から40年間の棋士生活の出来事をエッセイにまとめて「週刊将棋」に連載した。
その「千駄ヶ谷ノート40年」を加筆して単行本にしたもの。
プロ棋士自身が書いた、棋士の姿・将棋界の実相・棋士の意外な一面を客観的かつ具体的なエッセイ集です。
一プロ棋士が綴った将棋現代史です。
著者はプロ棋士ではベテランになっており、経歴としては・順位戦A級在籍1期、・奨励会時代に同人誌発行、・若手棋士時代に 公式戦の日程を決める手合係を務める、・将棋連盟理事6年、・雑誌「将棋世界」編集長2年と多岐に渡ります。
その出会った事は、まさしく将棋現代史と言えるでしょう。
第1章 盤外騒然の激動期
名人戦契約問題>九段昇段新規定>将棋会館建設問題>
名人戦が毎日新聞に移行順>位戦1年空白>名人戦森八段の剃髪
第2章 大山時代から羽生世代
大山全盛期>現代棋界の研究システムの先駆者山田>
山田急逝>米長流勝負哲学の原点の対大野戦>原田将棋>
昔の関西棋界と谷川奨励会時代>内藤歌手デビュー>
芹沢のタレント活動>マスコミに注目真部四段>升田引退>
昭和50年台後半の奨励会>大山・升田死去>羽生人気>
羽生七冠
第3章 将棋界の仕組みと出来事
昭和49年女流棋士制度>第1回将棋の日>昭和56年NHK杯全棋士参加>
将棋ドラマ「煙が目にしみる」>千日手規定改正>竜王戦創設>
連盟会長二上体制>女流棋士林葉問題>順位戦制度改革>
フリークラス制度
第4章 プロ・アマ平手戦対局の変遷
雑誌でアマプロ平手戦企画>真剣師小池重明>小林朝日アマ名人>
瀬川アマ特例プロ編入試験>プロアマは対決から交流に
第5章 わが修業時代の思い出
ヒット曲「王将」>佐瀬一門>内弟子生活>四段昇段
長い伝統を持つ将棋も、そして将棋棋士も将棋連盟も時代とともに変わります。
むしろ変わらないと時代から取り残されて行きます。
しかし勝負の世界は、なかなか強い者が対局以外でも力を持つ傾向が生じ易いです。
それは将棋界でも同様です、それから脱出するには時間がかかるし、現在(2009年)もその途中と言えます。
将棋連盟は伝統的に、棋士自身が連盟を運営しています。
それには、長所と欠点があります。
過去の事件を振り返る事で、改善する事は可能ですが、強い棋士が発言力があるという部分の改善が必要である事は本書でも かなりはっきり浮かんできます。
変動の時代には、色々な才能や力が必要です。
トーナメント棋士集団であっても、トップ棋士のみでは出来る事に制限があります。
昭和40年代後半から将棋を趣味としている私には、本書のほとんどの内容が思い出に残っています。
同時にその内部にあった出来事の多くは、知らないで現在に来ています。
その様な事情を鑑みれば、私と同世代のファンでも知らない事が多いでしょうし、ましてや若い世代の人には事件自体があった事も 知らないでしょう。
その意味からはほとんどの将棋ファンに、興味を持って読める内容と思います。
Copyright (C) 2009- kei All Rights Reserved.
※当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます。
将棋関連書籍・名著を探し・読む
奨励会入会から40年間の棋士生活の出来事をエッセイに
「千駄ヶ谷ノート40年」を加筆して単行本に
プロ棋士自身が書いた、棋士の姿・将棋界の実相・棋士の意外な一面
奨励会入会から40年間の棋士生活の出来事をエッセイに
「千駄ヶ谷ノート40年」を加筆して単行本に
プロ棋士自身が書いた、棋士の姿・将棋界の実相・棋士の意外な一面