2011年発行の最新形の定跡研究書です。
それ故に、直ぐに新しく変わる部分も含まれます。
目次
1:ゴキゲン中飛車
2:一手損角換わり
3:横歩取り8五飛
4:横歩取り8五飛+5二玉型
5:角換わり腰掛銀
6:実戦編
・最新形から力将棋へ:田中魁秀九段戦
・競り合いの熱戦:三浦弘行八段戦
・幸運な勝利:阿部隆八段戦
・研究の勝利:渡辺明竜王戦
・新手不発も辛勝:畠山成幸七段戦
・スリリングな早指し戦:谷川浩司九段戦
・懐かしい一局:瀬川昌司四段戦。
昔は、研究の関東と力将棋の関西という分類もありました。
今は、両者の差は少なくなっています。
本著は、関西の若手研究の代表格の著者の最新研究書です。
最新型は、書くのに苦労が多く、直ぐに古くなる可能性が高いリスクもあります。
ただし、最新のプロ棋戦を楽しむ上では欠かせません。
また、アマチュア戦でも流行形は登場しやすいので、新聞解説以上を望む人には楽しみです。
著者は、居飛車を中心にしたオールラウンドの棋士で、内容も多彩です。
そして、将来を期待されていますので、若い時の著書として記念的な処女出版です。
最新形の定跡書は、中級以上と言えるでしょう。
若手の出版としては、ハードルが高い分類になります。
現実に、本書は書かれて1年を経ていますが、いまだに現役の定跡が多いです。
細部で、新対策が登場していますが、基本知識として必要な内容にまっています。
最新研究は、次第に定跡になり、そしてその中のいくつかは基本定跡になります。
もしこの本を、10年前の時代の人が読めば驚くでしょう。
全て、将棋の大きな変化に関わった戦型ばかりだからです。
これだけの内容の変化を遂げるために、膨大な努力が多数の棋士で行われました。
そして、これからも発達してゆくでしょう。
いつもがその変化の途中です。
それをある時点でまとめる事は、易しくはありません。
ただそれが無ければ、意味不明のプロ棋戦を観る事になります。
ましてや、実際に指す上級者には有用な情報です。
実は、本書の内容がプロの実戦で指された事でも有名になりました。
棋士によっては、他の人と研究したり、情報を集めないタイプの人もいます。
その結果、著者が定跡として結論を出している内容が、実戦に現れたのです。
そして同じ結果になりました。
かなり話題になりましたが、詳細は省略します。
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豊島将之現六段(2012/4)の、2011年の著書です。
若手も幾つか著書がありますが、複数の戦型の最新定跡解説です。
本書の内容が実戦に現れた事でも有名です。