全10巻を、2巻分を1冊の文庫サイズにした復刊。
1992年から全10冊刊行された「羽生の頭脳」シリーズの文庫サイズの復刊(2000年)です。
2巻を1文庫にした全5巻のシリーズの、1冊目です。
アマからプロまで、読んだと言うベストセラーが復刊されました。
プロ棋界の急激な変化は、基本定跡と土台にしていますが、現実は全般にわたる定跡書シリーズは少なく
、前提となる定跡を知らないアマを生んでいます。
自ら指さないアマ・プロの将棋を観戦するアマにとっても、将棋の歴史や解説を補う上で定跡の流れを
知る事は有用でしょう。それに最適な本の復刊です。
はしがき
羽生の頭脳第1巻 急戦四間飛車破り パート1
第1章 4六銀(右銀)戦法
*羽生の結論 4六銀(右銀)戦法
第1部 後手4三銀型
第2部 後手5二金左型
第2章 4六銀(左銀)戦法
*羽生の結論 4六銀(左銀)戦法
第1部 後手6四歩型に3四歩・同銀・3八飛
第2部 後手6四歩型に2四歩突き捨て策
第3部 後手1二香型に3四歩の決戦策
第4部 後手1二香型に1六歩の待機策
第5部 後手1二香に1六歩・1四歩型
第3章 4五歩早仕掛け
*羽生の結論 4五歩早仕掛け
第1部 後手2四同歩型
第2部 後手2四同角型
第3部 4七銀型
第4部 6六歩型
第四章 鷺宮定跡
*羽生の結論 鷺宮定跡
第1部 後手6四歩に3八飛型
第2部 後手1二香に3八飛から6六歩型
羽生の頭脳第2巻 急戦四間飛車破り パート2
第1章 鷺宮定跡
*羽生の結論 鷺宮定跡
第1部 鷺宮定跡vs後手1二香型
第2部 鷺宮定跡の新変化
第2章 対四間飛車・棒銀戦法
*羽生の結論 棒銀戦法
第1部 棒銀vs後手5二金左型
第2部 棒銀vs後手3二金型
第3章 後手の急戦策
*羽生の結論 後手の急戦策その1
*羽生の結論 後手の急戦策その2
第1部 後手6四銀(右銀)戦法
第2部 後手の棒銀戦法
第3部 3点セット・その1 後手6四銀(左銀)戦法
第4部 3点セット・その2 後手6五歩早仕掛け
第3部 3点セット・その3 後手の鷺宮定跡
第4章 急戦四間飛車破り・実戦編
*羽生善治・公式戦 対振り飛車戦戦型別成績
第1局 4六銀(左銀)戦法 対内藤国雄九段戦
第2局 4五歩早仕掛け 対櫛田陽一四段戦
第3局 鷺宮定跡 対大内延介九段戦
第4局 棒銀戦法 対大山康晴十五世名人戦
第5局 後手の急戦 後手6四銀(左銀)戦法 対小林健二八段戦
*参考棋譜1・2・3・4
定跡は、優劣の結論が出るとそれを覆す新手・新戦法が出るまではプロ棋戦では姿を消します。
プロの優劣は微妙ですから、終盤力の劣るアマ同士が指し継ぐと必ずしも結論とは異なる結果になる事もあります。
それを持って「定跡を憶えると弱くなる」という人がいますが、優劣と言っても僅かな差である事を理解していないだけでしょう。
定跡は、序盤と中盤の前半までの読みの省略に役に立ちます。
同時に、序盤と中盤の前半までの将棋の考え方を学ぶ事に役立ちます。
問題は、人間の記憶の容量と研究の時間の問題です。
全ての定跡を完全に憶える事は、不可能ですしそれが直接役立つ事は多くはありません。
限られた時間と、自分が何を楽しみたいかで何をするかを選ぶしかありません。
その中で、広くかつ要領よくまとまった本書のような定跡書は学ぶには有効です。
本書が一部しかカバーしていないのは、将棋の有限ではあっても無限に近い戦型の中では仕方がありません。
同時に10年という書かれてからの時間もありますが、決定的に考え方が変わった所は少ないです。
ただ、新しい戦型の登場で指される頻度(流行?)が大きく変わる事は、しばしば生じます。
本書の特徴は、最初に「羽生の結論」が書かれている事でしょう。それは読みやすい書き方と感じます。
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