田中文雄
「田中文雄」「滝原満」のふたつの名義で幻想・ホラー・SF系の作品を発表した。
映画関係の仕事との兼業だが、後に専業になった。
このシリーズは、最終作以外は兼業作家時の発表である。
兼業作家時代は長いが、昭和50年「幻影城・新人賞」佳作。
この当時の感想で「大魔界」の事に触れているが、実作発表は数年後になった。
基本的に、幻想・ホラー系の作者です。
大魔界
・「竜神戦士ハンニバル」:1981年
・「氷神女王アーシュラ」:1982年
・「幻神惑星ナーガ」:1983年
・「白蓮都市ネフェルタ」:1984年
・「死霊塔主ジマ・ディンゴ」:1986年
・「漂流戦艦ナビゲイル」:1989年
・外伝「幻術師ダンカン」:1985年
SFはその範囲を広げて発展しました。架空の世界での物語も含めていますが、幻想・ホラーのジャンルが広がると分ける傾向もあります。
少なくても、SFを大きく、サイエンス系と幻想系とに分ける事は普通になりました。
「ヒロイック・ファンタジー」がSFかと言うと微妙です。サイエンス色が全くないですから。
架空の世界・架空の時代・架空の登場人物・の話ですから、幻想の世界である事は間違いありません。
それも、このジャンルが非常に広がり、かつ連作で多数のシリーズとして登場した事で独立して扱う事も問題なさそうです。
「大魔界」は、その中は小さなシリーズとも言えます。
ただ、登場しそうなものはたいてい、登場します。
感想等
時代小説それも伝奇小説がブームです。
時代設定が一応ありますが、時代考証的には別世界かもしれません。
そして登場人物は実在名もありますが基本は架空です。
そして英雄的な主人公がいますし、シリーズ化されています。
これは、内容的にはヒロイック・ファンタジーと同じです。
異なるのは、架空を現実の歴史小説的に勘違いさせる扱いか、明らかに架空の世界と認識させる扱いかの差でしょう。
ただヒロイック・ファンタジーでは、設定はより制限がなく自由です。
国や一族の長や明らかな英雄として、主人公が登場して活躍します。
どちらがより多くの読者に、好まれるかは時代によって異なるでしょう。
ただ、ヒロイック・ファンタジーの方がより作り物であり、作者の創造力が発揮される場所だとは思えます。
所で、その作品の多くが全くサイエンスとは縁がない状態で、SF系として見るかどうかは不明です。
もはや、作品群としてはその必要性はなさそうです。
このジャンルの著者達が、SFを含む複数のジャンルを書いている事と、ヒロイック・ファンタジーのジャンル分けとは無関係です。