ヴァン・ヴォークト
20世紀のSF界の巨人のひとりで、カナダ生まれです。
1939年に後に「宇宙船ビーグル号」の元になる作品でデビューしています。
「宇宙船ビーグル号」は宇宙生物との遭遇がテーマのオムニバス長編です。
1950年頃が一番活躍していますが、その後中断期があり、再開しましたがまた書かなくなりました。
SFを背景にした壮大な冒険小説作家のイメージもあります。
イシャーの武器店
・「イシャーの武器店」:1949年
・「武器製造業者」:1943年
「イシャーの武器店」「武器製造業者」は、「イシャーの武器店・シリーズ」とも呼ばれる1940年代の作品です。
テーマは異次元・異空間での出来事が、交叉する内容です。
タイムトラベルだけでなく、別の時代が突然に現在に現れるという話です。
ただどちらが現れるのかは、それぞれの時代の人物で見方は変わります。
第2部にあたる作品が先に書かれており、次に続編が・・正確には第1部に当たる前編が書かれています。
感想等
1951年アメリカの新聞記者のマカリスター・
7000年未来のイシャー帝国のモーター修理業の息子ケイル・
武器店の娘ルーシー・
武器店の中堅のヘンドリック・
女帝他の人物が中心になって話は進みます。
中でもヘンドリックが、中心的な性格つけになっており不死人です。
一部と2部で内容がかなり異なります。
どちらを先に読むのかは結果的には重要と思うが、歴史的な発表順がシリーズの評価になっている様です。
2部は帝国と武器店と蜘蛛族という宇宙生物との複雑な関係の、スペースオペラ的な作品です。
それに対して1部は、時間という要素が強く関わり、未来と過去という事が大きく関わってきます。
いったりきたりの時間シーソーと、それにより蓄えられるエネルギーの連鎖を止める事が一つのテーマです。
4次元に広がったテーマは、もっと発展出来る様に思いますが、この2作のみが発表されています。