「数値解析」は数学かどうかは意見が分かれるでしょう。
ここでは一応数学とします。
それは、デジタル値を相手にする所からすでに道が分かれますが、それでいて無限という概念がかならずついて回ります。
限りなく無限に近い、いいかえれば有限で計算を終える事は、近似を意味します。
はじめから、近似を前提にした数学。
非常に微妙な位置にあると言えます。
数値計算は近似です。
近似計算には必ず誤差があります。
しかし、誤差の大きさは計算対象で大きく異なります。
微分は、式の上では必ず計算できますが、線の傾きですのでわずかなずれで大きな誤差が発生します。
積分は、式では計算出来ないものも多くあります。しかし、元々は面積計算ですから、目分量で計算できる形に変形しても意外と誤差は少ないです。
数値積分は数値計算向きです。
数値積分とは面積を求める事です。
基本は台形則にあります。
求める面積を、多数の台形に分割します。
台形は計算できますので、合計すれば面積は求まります。
この時の多数とはどれくらいかがポイントです。
無限と言えば正解ですが、現実的には計算できません。
はじめに許容誤差を決めておきます。
分割する台形の数を徐々に増やします。
繰り返し、面積を求めて、1回前と比較します。
もしその差が、設定した許容誤差よりも小さくなれば、目標の近似になったと判断して終了します。
無限ではなくどこかで、終了する。これが基本です。
コンピュータは内部に乱数発生機構をもちます。
従って、試行を繰り返す事により真実の値にちかずく性質を容易に利用できます。
もともとは、さいころやルーレットで乱数を発生させていたまたは、ゲームを行っていた事もあり「モンテカルロ」法と呼びます。
有名な方法に、円周率を求める事があります。
正方形と、それに内接する円があります。
XとYを乱数で出して、円の内部か外部かの判定を多数回繰り返します。
次第に、円の面積に近づき、円周率も真値に近づきます。