「将棋大賞」に「名局賞」が設けられて2年以上過ぎました。そして、次回から「名局賞」と「名局特別賞」とに別れます。 理由は多くの棋士やファンが注目する対局が投票の上位になる傾向があるからです。
舞台があって名局が生まれますが、それ以外に内容自体が評価が高い対局もあります。それは「名局特別賞」とする事になります。 内容が優れた対局とは、プロ棋士の投票と将棋世界誌の読者投票がありますが果たしてどのようになるでしょう。
タイトル戦等の注目の対局が名局に選ばれる事は、アマとプロであまり差が生じません。過去はそうでした。これが舞台は別にして 純粋に内容で判断すると、かなりばらけると予想します。内容を理解しやすいプロと、表面的な泥試合を熱戦と見るアマとで差が 生じても不思議はありません。個人的にはむしろ「名局特別賞」の投票結果が興味があります。
将棋は悪手を指した方が負けるゲームという意見があります。少なくても最期に悪手を指した方が敗れる率は高いです。悪手の 多い戦いほどなかなか決着せずに、見た目は熱戦に見える筈です。それはアマには理解出来ませんし、プロでも全て理解出来ない でしょう。(2009/11/03)
意外な結果が起きると「奇跡的」と言います。結果が分からない勝負の世界での奇跡とは何でしょうか。勝率の悪い相手に勝つ事 は意外ですが、新しい勝負は統計で決まりません。
過去にない事が生じる事は「奇跡」と呼んでもよいかも知れません。たとえそれが、通常はそれほど不思議でなくてもです。 マニアに有名なのは、「7番勝負で3連敗後の4連勝が無かった事」です。囲碁では複数起きていますし、無い方が不思議でした。 これは2008年の竜王戦で始めて起きました。マニアは驚きました。過去は知っていると思い込みになります。そして、2009年の 王位戦でも再び起きました。2年連続ですが、2回目からは小さな驚きになります。
今月の話題は、JT杯日本シリーズ決勝です。2007年に優勝した森下九段は奇跡的と感想を述べ、2008年の連覇では奇跡の2乗以上 と述べました。過去に準優勝が多数で優勝が少ない事と出場者12名(全年度優勝と賞金ランク上位から選抜)にぎりぎり入った事 からの感想でしょう。しかし本年は個人的ではない事が起きるかも知れません。実は半分は既に起きていますが・・・。1回戦シード の渡辺竜王が同居者の新型インフルエンザ感染にあいました。公開対局と言う性格から早期に対策が必要で、渡辺竜王の出場辞退と して、ランクの次点を急遽代替え出場に将棋連盟は行いました。賞金ランク13位は谷川九段で実は27年連続出場の記録が途切れた のが本年でした。この事態で28年連続になりました、これは全く予想外でしたが、途中出場から2勝して決勝に残りました。 これは11月後半に行われますが2つ目の奇跡が起きるかも知れません。(2009/11/10)
現代将棋についての議論がしばしば、されています。明らかに過去の常識からの違いが生じています。 理由は色々ありますが、明らかな事は過去の概念からの脱却という事です。将棋を取り巻く環境が変わったこともあります。 しかし基本ルールは変わっていませんから、将棋の戦いの中に求めるべきです。(細部のルール変更は行われています) それには過去の本・観戦記・評論等を読むことで、現在との差が気がつくことがあります。
将棋を伝統芸能と観ると、格式や作法というものが生まれます。現在でも、ランクや礼儀は存在します。勝負ごとが礼に始まり 礼に終わる事はルールがあるゲームでは重要でしょう。ただ、勝負中は対等と考える必要があります。 古い観戦記を読むと、この対局者は対等という当然の自由を認めていないかのような内容を見ることがあります。過去の実績や現在の ランクに対する尊敬や敬意と、対局の対等性は異なるものです。ランクでの上座や、駒箱からの駒の出し入れ・王将を持つ側等の原則 はあります。基本的にこれらは、対局・勝負に関係しないから存在します。対局中の態度や行動等で、過度な心理戦や妨害行動も 取り締まるのが当然です。しかし、戦型や手数や投了図や投了時期などを、対戦相手の実績を基にどうこう言う事は見直す必要がある でしょう。個人的には対局者の自由であり、第3者が問題にする内容ではないと思います。(2009/11/17)
色々な理由があるでしょうが、持時間は平均して短くなってきています。100%ではありませんが、持時間の長さと将棋内容 の深さはプラスの相関があると思います。もっと極端にいえば、持時間の長さで将棋の性格が変わると言えるでしょう。
持時間には2種類あって、純粋な持時間と持時間を使い切った時の1手の考慮時間です。素人でも分かるのは後者で、通常対局の 1分将棋、朝日オープン等の40秒将棋、NHK杯等の30秒将棋、20秒や10秒もあります。持時間の短い将棋は殆ど使い切ります のでその後の1手の考慮時間が大きく影響します。
将棋の公開性や色々なメディア対応から、持時間の短い対局の需要は増えるでしょう。従って、今後も持時間の多様化は進むでしょう。 逆に言えば勝負を決める・リアルタイムで見せる将棋と、じっくり深い読みを競う対局が共存して行くでしょう。必ず、短い考慮時間の 得意・苦手はありますが、おおまかな傾向は持時間の長い対局に強い棋士は短い対局にも強いです。ただ、微妙な差はありますし、内容 の追及には持時間の長い対局は継続して必要です。(2009/11/24)
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