月村了衛

月村了衛は脚本家として活動して、その後に「機龍警察」で小説デビューした
脚本家としてアニメに参加したが、そのなかにロボットやSF関係が多数含まれる。
2012年に『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、2013年に『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞、2015年に『コルトM1851残月』で大藪春彦賞、2015年に『土漠の花』で日本推理作家協会賞を受賞している。

機龍警察

機龍警察は2010年に発表されたが、その後にシリーズとして書き継がれている。
SF小説には近未来を舞台にしたジャンルがある、また近未来を描く事を目的とする事もある。

機龍警察は近未来の日本を舞台にした警察小説だが、犯罪が変わりそれに対抗するために警察法・刑事訴訟法・警察官職務執行法の改正が行われ、警察組織が変わり新しい部署が作られた状況を描く。
それは近未来の戦闘と武器を想定し、犯罪や犯罪者が変わると想定し、法律や警察やその人員も変わると想定する。

従って機龍警察では、近未来の設定と、それに伴う社会と警察の変化と、それ伴い設定された状況での未来の武器を使った戦闘が特徴となる小説であり、アクション小説・冒険小説ともなっている。

勿論、近未来は広い範囲で変わるからシリーズ化が可能となる。

コンピューター制御のロボットや攻撃等の機能が向上して、機甲兵装というパワードスーツの兵器が主流になる。
それに対応した警察の装備が作られて、それを扱う警察組織が設置された。
そのひとつの警視庁特捜部に新型機甲兵装「龍機兵」が配置され、それを操縦出来る少ない人間が雇われる。

機甲兵装というアイテム自体がコンピュータを中心とする技術を集めたものであり、その創造と想像は空想科学だ。
それを扱う警察関連だけでも膨大な想像と空想の世界となる。

そして、それを装備してのアクションと戦闘がまた想像の世界となる。

SF小説には架空の世界での戦闘やヒーローが登場するものが多い、それが近未来の警察として設定した訳だ。

感想等

科学技術の成果のロボットや操作するスーパーヒーローは、多数創造されて、小説・映像等で描かれて来た。
コンピュータやロボットが身近になった為に、それらがまだ未来の事として扱われていた時代とは具体的な構想・創造・想像が可能となった。

機龍警察は、それを機甲兵装・龍機兵という近接戦闘兵器として作り上げた。
ロボット類似の武器やバトルシーンは、ロボットが考えられてから度々考えられて来たが、創造物としては具体的な装備と機能であり、それ故にリアルな戦闘アクションシーンを描く事が出来ている。
近未来にも、かなり遠い近未来と近い近未来があるが、明らかに近い近未来を扱う。
それがテロや犯罪が溢れた社会を想定した場合でも、それを完全に否定出来ないのもまた現実だ。
作者が無理に設定したとも言えないのだ、逆に言えば武器を考えそれでアクションシーンを描きたいと考え、その舞台として近い近未来が適合したと言える。

社会と組織と犯罪とが、ロボットと機甲兵装から導き出せると、それに登場する人物が描き出せられる、そこからは作者の創造と想像がどんどんと発展する。

サブコンテンツ

メインメニュー

このページの先頭へ